Takaoka, a foundry town since 1611.
鋳物の町・高岡町と上田合金所の歩み
鋳物の町・高岡 四百年の鋳物の町で、機械の部品を鋳る。
富山県高岡市は、1611年に7人の鋳物師(いもじ)が招かれたことに始まる鋳物の町です。上田合金所は大阪で創業し、新湊を経て、1960年に高岡市へ工場を移しました。町の歩みと、上田合金所の歩みを、図と年表で並べてご紹介します。
写真:朝の雨晴海岸(高岡市)
第一部 町の位置 西部金屋から、金屋町へ。
1611年、前田利長は砺波郡西部金屋(いまの高岡市戸出西部金屋)から7人の鋳物師を招き、土地を与えて鋳物づくりを行わせました。その町が、いまの金屋町です。
上田合金所の三つの工場は、いずれも中心部の東、高岡市石丸にあります。
凡例
- 地点(緯度・経度の位置)
- 上田合金所(所在地の町名、石丸の位置)
- 1611年、7人の鋳物師が招かれた
- 海岸線(おおよそ)
- 詳細Aの範囲(中心部)
位置図(北が上)。国土地理院の地図(地理院タイル)の上に地点を示す。北は富山湾で、海岸に雨晴海岸と海王丸パークがある。高岡の中心部に金屋町があり、中心部を破線の円で囲んで詳細Aとしている。南の戸出西部金屋から金屋町へ、1611年に7人の鋳物師が招かれたことを矢印で示す。上田合金所は中心部の東の石丸。詳細Aは中心部の拡大で、金屋町は北西寄りにあり、その東に高岡古城公園(高岡城跡)、南東に高岡大仏と高岡駅、南に瑞龍寺がある。上の切り替えで、地図と航空写真を選べる。

第二部 町と会社の年表 町の年表に、会社の年表を重ねる。
高岡の鋳物の歩みと、上田合金所の歩みを、ひとつの年表に並べました。上田合金所は1929年に大阪で創業し、新湊を経て、1960年に高岡市へ工場を移しました。


| 年 | 高岡の町と鋳物 | 上田合金所 |
|---|---|---|
| 1609 | 高岡の町と鋳物加賀前田家二代当主の前田利長が高岡城を築き、高岡の町を開く | |
| 1611 | 高岡の町と鋳物前田利長が、砺波郡西部金屋(いまの高岡市戸出西部金屋)から7人の鋳物師を招き、土地を与えて鋳物づくりを行わせる。これが高岡の鋳物の始まりとされ、その町がいまの金屋町はじめは鉄で生活の道具がつくられ、のちに銅器(梵鐘・灯籠・仏具など)もつくられるようになった | |
| 1929 | 上田合金所大阪市大正区泉尾で創業。旧海軍関係の船舶部品の銅合金鋳物を製作 | |
| 1933 | 高岡の町と鋳物銅でつくられた高岡大仏が完成 | |
| 1944 | 上田合金所富山県新湊市(いまの射水市)へ工場を移転し、事業を再開 | |
| 1947 | 上田合金所株式会社上田合金所に改組 | |
| 1960 | 上田合金所高岡市能町へ新工場を新築移転。機械工場を新設 | |
| 1975 | 高岡の町と鋳物高岡銅器が国の伝統的工芸品に指定 | 上田合金所富山新港工場が完成 |
| 2012 | 高岡の町と鋳物金屋町が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定(種別「鋳物師町」、約6.4ha) | |
| 2015 | 高岡の町と鋳物「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡 ―人、技、心―」が日本遺産に認定 | |
| 2021 | 上田合金所株式会社Co Creationが事業承継 | |
| 2023 | 上田合金所発光分光分析機、高周波誘導炉 500kgを導入。株式会社速星精工と資本業務提携 | |
| 2024 | 上田合金所事業承継により第二工場を取得 | |
| 2025 | 上田合金所事業承継により第三工場を取得。重油炉をすべてガス炉に入れ替え | |
| 2029 | 上田合金所創業100周年を迎えます |
第三部 金屋町の町並み さまのこの町家が、通りに並ぶ。
高岡の鋳物の始まりとされる金屋町には、千本格子(さまのこ)の町家が並び、石畳には銅片を埋めた所があります。2012年に、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました(種別「鋳物師町」、約6.4ha)。


注記
- 1
さまのこ(千本格子)町家の表に並ぶ格子。
- 2
主屋敷地は短冊形で、通りの側に主屋が建つ。
- 3
作業場敷地の奥に置く。作業場の火が、主屋に移らないようにする工夫。
- 4
石畳銅片を埋めた所がある。
町の行事
御印祭
| 6月20日の前夜 | 町流し鋳物の作業唄「弥栄節(やがえふ)」に合わせて、町を踊り歩く。 |
|---|---|
| 6月20日 | 御印祭前田利長の命日にあたる日に、金屋町で行われる。 |
第四部 工芸と工業の鋳物 つくるものは違っても、湯を型に流し込む。
工芸の鋳物(高岡銅器)と、工業の鋳物(上田合金所)を、表に並べました。つくるものも仕事の分け方も違いますが、溶かした金属(湯)を型に流し込むところは同じです。


| 項目 | 工芸の鋳物高岡銅器 | 工業の鋳物上田合金所 |
|---|---|---|
| つくるもの | 工芸の鋳物(高岡銅器)仏具・花器・茶道具・梵鐘・銅像など | 工業の鋳物(上田合金所)軸受メタル・ブッシュ・ウォームホイールなど、機械の部品 |
| おもな工程 | 工芸の鋳物(高岡銅器)原型・鋳造・仕上げ・着色 | 工業の鋳物(上田合金所)設計から木型製作、鋳造、仕上げ、機械加工、出荷前の検査まで |
| 仕事の分け方 | 工芸の鋳物(高岡銅器)工程ごとに分業 | 工業の鋳物(上田合金所)図面から機械加工まで、社内で一貫。精密加工は、グループの速星精工が担う |
| 共通すること | 溶かした金属(湯)を、型に流し込む | |
同じ高岡の町で、機械の部品になる鋳物をつくっています。

関連するページ
出典
- 日本遺産ポータルサイト(文化庁)
- 文化庁「重要伝統的建造物群保存地区」
- 中部経済産業局「東海・北陸の伝統的工芸品 高岡銅器」
- 富山県「とやまの伝統工芸品」
地図と写真
- 図版一の地図地理院タイル(新しいタブで開きます)(国土地理院)。地点の位置は OpenStreetMap の緯度・経度から(© OpenStreetMap contributors(新しいタブで開きます))
- 扉の写真、写真一、写真三〜写真八撮影 澤田数基(株式会社Co Creation 代表取締役)
- 写真二「金屋町の鋳物工場」富山県編『置県百年』(1983年)より。パブリックドメイン。Wikimedia Commons「高岡金屋町の鋳物工場.png」(新しいタブで開きます)
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〒934-0095
富山県高岡市石丸708番地1号株式会社上田合金所
